「手術しかない」と言われた膝でも改善の可能性はある?柔道整復師が解説

病院でもう手術しかないよ、いつにする?と言われた膝の患者さんも当院にはたくさんいらっしゃいます。

みなさん日付を決めるのが怖くて、様子見ますと一旦帰ってきて、他に方法がないかと当院へ来られます。


「手術しかない」と医師から告げられたとき、大きなショックを受けた方も多いのではないでしょうか。

当院にも「手術を勧められたが、できれば避けたい」「他に方法はないのか」というご相談を多くいただきます。

今回は、手術を勧められた膝の状態や、手術以外の選択肢について、よくある質問にお答えします。

Q1. 「手術しかない」と言われましたが、本当に手術しかないのですか?

A. 状態によりますが、改善の可能性がある方もいらっしゃいます

改善の可能性がある方もいらっしゃいますし、手術した方がよいという方もいらっしゃいます。これは本当に状態によります。可能性はありますので希望は捨てないでください。

画像と痛みは必ずしも一致しない

医師から「手術しかない」と言われるのは、レントゲンやMRIで軟骨のすり減りや変形が進行している状態が確認された場合が多いです。確かに、画像上では変形が進んでいることもあります。

しかし、画像で見える変形の程度と、実際の痛みの強さは必ずしも一致しません。レントゲンでは変形が進んでいても、日常生活に支障がない方もいらっしゃいますし、逆に変形が軽度でも強い痛みを訴える方もいらっしゃいます。

これは、痛みの原因が変形だけではなく、周りの筋肉の硬さや、関節の動きの悪さ、体重のかけ方の癖なども関係しているためです。

当院での経験

当院に来られる方の中にも、「手術を勧められたが、できれば避けたい」という方が多くいらっしゃいます。そういった方の膝の状態を確認すると、筋肉のバランスが崩れていたり、体の使い方に問題があったりすることが少なくありません。

もちろん、手術が必要なケースもあります。軟骨が完全にすり減ってしまっている場合や、日常生活が困難なほど痛みが強い場合は、手術を選択することも大切な判断です。

大切なのは納得できる選択

大切なのは、「手術しかない」と言われても、すぐに諦めるのではなく、まずは他の方法も試してみること。そして、最終的にはご自身が納得できる選択をすることだと思います。

Q2. 手術を避けたい場合、どんな方法がありますか?

A. 保存療法、再生医療、整体など複数の選択肢があります

手術を避けたい場合、いくつかの選択肢があります。

医療機関での治療

保存療法としては、手術をせずに症状を改善する方法で、薬物療法(痛み止め、ヒアルロン酸注射など)、理学療法(リハビリ)、装具療法(サポーターなど)などがあります。

また、最近では再生医療という選択肢も出てきています。PRP療法(自分の血液から成長因子を抽出して注入する方法)や幹細胞治療などがこれにあたります。ただし、こちらは医療機関での治療になりますので、専門医にご相談ください。また、保険適用外の場合が多く、費用面での検討も必要です。

整体院でできること

当院では筋肉をメインで施術しトレーニングし筋肉を強化していく方法を行っています。

膝の痛みがある方の多くは、膝周りの筋肉が硬くなっていたり、逆に弱くなっていたりしています。筋肉のバランスが崩れると、膝にかかる負担が大きくなり、痛みが出やすくなります。

当院では、まずどの筋肉がかばって硬くなっているのか?、それをまた他でかばっていないか?またどこが機能していない根本の原因の筋肉なのか?を、動作検査を行い見つけていきます。その問題の筋肉の機能を1つずつ改善していくと関節の動きが改善していきます。その上で、弱くなった筋肉を適切にトレーニングして強化していきます。

また、体の使い方や姿勢、歩き方なども確認し、膝に負担のかからない動作を身につけていただくようにしています。

複数の方法を組み合わせる

手術を避けたい場合は、こういった複数の方法を組み合わせることで、症状の改善を目指すことができます。

人間の体は筋肉と靭帯で関節を支えています。それが機能しなくなるか、それ以上の負荷がかかるため関節内にダメージがかかり痛み、変形していってしまうので、そこを改善できればまだチャンスがあると思いませんか?

来院された70代男性の患者さんですが、どんどん状態が悪くなってきていて、来院して施術はしますが、指導しても家でのトレーニングをしてなかったみたいで、それをするようになったら膝の痛みが改善し今ゴルフを楽しんでいる方もいます。

Q3. 整体で膝の痛みは改善しますか?

A. 状態によりますが、改善した方もいらっしゃいます

これも状態によりますが、改善した方もいらっしゃいます。逆に手術してからリハビリした方が安定するという方も中にはいらっしゃいます。

改善が期待できるケース

改善が期待できるケースとしては、以下のような場合です:

  • 筋肉の硬さや筋力・出力低下が主な原因の場合
  • 体の使い方や姿勢の問題で膝に負担がかかっている場合
  • 指導したトレーニングを家でもしてくれる場合

かばう動作が悪循環を生む

当院では、負荷がかかって痛め、それをかばって生活している方がほとんどです。かばって生活していると、本来使うべき筋肉が使えなくなり、関節が支えられなくなります。

例えば、右膝が痛いと、無意識に左足に体重をかけて歩くようになります。すると、右足の筋肉は使われず、どんどん弱くなっていきます。弱くなった筋肉では膝を支えきれず、さらに痛みが増す…という悪循環に陥ります。

このような場合、かばっている動作を修正し、正しく筋肉を使えるようにすることで、関節の動きは安定し、支えられるようになります。

筋肉のトレーニングが重要

関節のまわりは筋肉で覆われていますので、周りの筋肉のトレーニングは必要です。特に膝だと、太もも内側の内転筋、太もも裏側のハムストリングスの筋肉などが重要です。

ただし、一般的な筋トレは、痛い人には負荷が強かったり、かばって動いてしまったりすることがあるので気を付けた方がよいと思います。痛みがある状態で無理にスクワットなどをすると、かえって膝を痛めてしまうこともあります。

当院では、その方の状態に合わせて、痛みが出ない範囲で、正しい動作で筋肉を使えるようなトレーニングを指導しています。

適切な方法を選ぶことが大切

一方で、手術した方が良いケースもあります。軟骨が完全にすり減って、関節の変形が非常に進んでいる場合や、著しい筋力低下がみられる場合(痛くて歩けなくて車いす生活など)、整体だけでは改善が難しいこともあります。

大切なのは、今の膝の状態を正しく把握し、適切な方法を選ぶことです。

Q4. 手術を決断する前にすべきことは?

A. まず保存療法を試し、それでも改善しない場合に手術を検討しましょう

決断する前に自分で何か改善するために努力したのか?を考えなおしてもらいたいと思います。

全てやることはやったというのであれば決断するのは良いと思います。

やり残したことがある、まだ試していない、自分では何もしていないというのであればそれをチャレンジして、結果が出なかったら最終的に手術と考えてもよいのではないでしょうか。

手術前にチャレンジしてほしいこと

手術は、膝の痛みを解決する一つの方法ですが、手術にはリスクも伴いますし、術後のリハビリも必要です。だからこそ、手術を決断する前に、できることをやっておくことが大切だと思います。

具体的にチャレンジしてほしいこと:

1. 保存療法を試す

  • 医療機関での薬物療法やリハビリ
  • 整体や運動療法
  • 体重管理(肥満がある場合)

2. 生活習慣の見直し

  • 膝に負担のかかる動作を避ける
  • 正しい姿勢を意識する
  • 適度な運動を取り入れる

3. セルフケアの習慣化

  • ストレッチ
  • 軽い筋トレ
  • 入浴で温める

これらを3ヶ月〜6ヶ月ほど続けてみて、それでも改善が見られない、または悪化している場合は、手術を検討するタイミングかもしれません。

先延ばしのリスクも考える

改善の可能性はあるかもしれません。

ただし、注意していただきたいのは、先延ばしにしすぎるリスクです。

膝の軟骨は、一度すり減ると元には戻りません。保存療法で様子を見ている間に、軟骨のすり減りがさらに進行してしまうこともあります。また、痛みをかばって歩いているうちに、反対側の膝や腰、股関節まで痛めてしまうこともあります。

手術を検討すべきタイミング:

  • 日常生活に大きな支障が出ている(歩くのも辛い、階段が上れないなど)
  • 痛みで夜も眠れない
  • 保存療法を十分試したが改善しない
  • 膝の変形が進行している

かといって先延ばしにして中の状態がどんどん悪くなる場合もありますので、痛みと生活の支障のレベルに応じて決断するのが良いと思います。

医師とよく相談しながら、ご自身が納得できる選択をしてください。

Q5. 手術後のリハビリにも整体は有効ですか?

A. 手術後のリハビリにも整体は有効です

手術後のリハビリは大切だと思います。切ることにより筋力も低下してしまいますし、動作しやすくするために繰り返しリハビリはした方がよいと思います。

手術後のリハビリの重要性

手術後のリハビリは、手術の成功を左右する非常に重要な要素です。

人工関節置換術などの手術では、膝を切開するため、周りの筋肉も影響を受けます。手術後は、筋力が低下し、関節の動きも硬くなりやすい状態です。

手術後のリハビリの目的:

  1. 筋力の回復
  2. 関節可動域の改善
  3. 正しい歩行動作の習得
  4. 日常生活動作の改善

病院リハビリと整体の役割分担

通常、病院でのリハビリは、手術後から始まり、3ヶ月〜6ヶ月程度続きます。この期間に、理学療法士の指導のもと、筋力トレーニングや歩行訓練などを行います。

しかし、医療保険でのリハビリには期間制限があります。病院でのリハビリが終了した後も、継続的なケアが大切です。

ここで、整体が有効になります。

整体でできる手術後のサポート:

  • 筋肉の硬さをほぐす
  • 関節の動きをさらに良くする
  • 筋力トレーニングの継続
  • 体のバランス調整
  • 日常生活での動作指導

病院のリハビリが終わったあとに整体へ通うというのはとても良い流れだと思います。病院で基礎的なリハビリを行い、その後、整体で日常生活に即したケアを継続することで、手術後の回復をさらにサポートできます。

並行して通うことも可能

もちろん、病院のリハビリと並行して整体に通うことも可能です。病院では医療的なリハビリを受けながら、整体では筋肉のケアや体のバランス調整を受ける、というように役割分担をすることで、より効果的な回復が期待できます。

病院では手術した箇所のみのリハビリになりますから、手術前にかばっていた場所などのリハビリはしないのでそういう部分は整体などで患部以外もケアしてあげると術後に良いと思います。

ただし、手術後すぐの時期は、まず担当医の指示に従ってください。傷口が安定し、担当医の許可が出てから、整体などの補助的なケアを受けるようにしましょう。

手術後のリハビリは、手術そのものと同じくらい重要です。焦らず、しっかりと取り組むことで、手術の効果を最大限に引き出すことができます。

当院でのアプローチ

整体院こころでは、「手術しかない」と言われた方に対して、以下のようなアプローチを行っています。

膝の状態確認

まずは膝の状態をしっかり確認し、手術以外の方法で改善の可能性があるかを見極めます。

筋肉のバランス調整

膝だけでなく、股関節、足首、姿勢など、体全体のバランスを整えることで、膝への負担を減らします。
機能していない筋肉を力が入るようにするのはとても大切です。それだけで1つ関節の動きバランスが変わります。

適切なトレーニング指導

その方の状態に合わせて、痛みが出ない範囲で、正しい動作で筋肉を使えるようなトレーニングを指導します。

生活動作の改善

日常生活での膝に負担のかからない動作や、セルフケアの方法もアドバイスしています。

まとめ

「手術しかない」と言われた膝について、5つのポイントをご紹介しました。

  1. 手術しかない?: 状態により改善の可能性もある
  2. 手術以外の方法: 保存療法、再生医療、整体など
  3. 整体の効果: 状態によるが改善した例もある
  4. 手術前にすべきこと: 保存療法を試してから決断
  5. 手術後のリハビリ: 整体も有効なサポートになる

筋肉でなんとかなる部分って実際多いです。なぜなら体を動かして支えているのは筋肉なので。

その根本を何とかできれば、現状の関節の状態でも支えて生活できるということもあります。

「手術しかない」と言われても、すぐに諦める必要はありません。まずは他の方法も試してみて、それでもダメな場合に手術を検討する、という選択肢もあります。

手術が必要なケースもありますが、ご自身が納得できる選択をすることが何より大切です。

手術を勧められた膝でお悩みの方は、お気軽に整体院こころにご相談ください。


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