階段の上り下りを楽にする4つのコツ〜柔道整復師が教える膝に優しい方法

階段の上り下りが辛くて、エレベーターやエスカレーターばかり使ってしまう…そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
当院にも「階段を降りるときが特に怖い」「膝がガクガクして不安」というご相談を多くいただきます。
そこで今回は、階段の上り下りを楽にする4つのコツについて、よくある質問にお答えします。

Q1. 階段を降りるとき、どちらの足から降りればいいですか?

A. 痛くない方の足から降りてください

階段を降りるときは、痛くない方の足から降りることをおすすめしています。

正しい降り方の手順

  1. 痛くない方の足を先に下ろす
  2. 痛い方の足を同じ段に揃える
  3. また痛くない方の足を下ろす

このように、段違いで降りるのではなく、一度揃えてから次の段へ進む方が膝への負担が少なくなります。

なぜこの方法がいいのか

痛い方の足を先に下ろすと、着地時に体重がかかり大きな衝撃が膝にかかってしまいます。痛くない方の足で先に体重を支えることで、痛い方の膝への負担を軽減できるのです。この方法自体は決して悪いことではありません。しかし、この状態が続くとかばっている反対の足や腰に負荷がかかり続ける形になりますので長期でみるとよいとは言えませんので、一時しのぎにして頂き、膝に対する対策が必要になってきます。

Q2. 手すりは使っていいですか?

A. もちろん使ってください

手すりがあれば、積極的に使うことをおすすめします。

手すりを使うべき理由

手すりを使うことで、手で体を支えることができるため、階段の上り下りが安定します。

なるべく頼らずに、と手すりを持たない方もいらっしゃいますが、階段は不安定で、かつ膝への負荷も大きい場所です。大きなケガにもつながりやすいため、手すりがある場所では持って降りることをおすすめします。

筋力低下の心配は不要

「手すりを使うと筋力が落ちる」と心配される方もいらっしゃいますが、それよりも転倒や痛みの悪化を防ぐことの方が重要です。

安全に階段を使えることが、長期的に見て筋力維持にもつながります。

Q3. 階段を降りるときに気をつけることは?

A. 焦らず、正しい姿勢と足の着き方を意識してください

階段を降りるときに最も気をつけていただきたいのは、焦らないことです。

焦りが事故につながる

慣れている場所でも、時間がない、電話が鳴っている、急いで降りなければ…と焦ると、動作が不安定になりケガにつながることが多いのです。

ゆっくりで大丈夫

スピードはゆっくりで問題ありません。むしろ、ゆっくりと確実に一歩ずつ降りることが、膝への負担を減らし、安全に階段を使うコツです。

急いでいるときほど、一呼吸置いて、落ち着いて降りるようにしてください。

足の着き方と体の傾け方

足の着き方: 足裏全体で着地するように意識してください。つま先だけやかかとだけだと不安定になりやすく、膝への負担も大きくなります。

体の傾け方: 体は前かがみにならず、真っ直ぐの姿勢を保ってください。前傾姿勢だとバランスを崩しやすく、転倒のリスクが高まります。普段から姿勢が丸くなりがちな方は、無理に背筋を伸ばそうとせず、前を向ける範囲の姿勢で大丈夫です。

それでも不安定な場合は、足裏の体重の乗せ方に癖がついてしまっている可能性があります。足軸を調整改善すれば安定すると思います。または踏ん張るだけの筋力がない、筋肉がうまく使用できていない可能性もあります。これもトレーニングで改善します。

当院でも階段の降りる時に踏ん張りきれず不安定という70代前半の患者様がいらっしゃいますが、足圧の検査をするとちゃんと足指に体重がかかっておらず着地していました。これじゃ不安定なので乗せているだけ踏ん張りきれないという結果です。

この方の場合は足軸の調整と足指のトレーニングをしっかりいれると踏ん張りがでてきて降りる時も怖くなくなったとおっしゃってました。


Q4. 階段を上るときに楽にする方法は?

A. 真っ直ぐの姿勢を保ち、足指と太ももを意識してください

階段を上るときも、Q1と同じで痛くない方の足から上がってください。そして、手すりも持つことをおすすめします。

正しい姿勢が大切

前傾姿勢ではなく、背筋を伸ばして真っ直ぐの姿勢で上ってください。前傾姿勢だと膝への負担が大きくなってしまいます。

なるべく姿勢を頭から足先までの一直線の軸を保ったまま、太もも、足指に意識して上がってみてください。

足指を意識する

階段を上るときに、足指でつかむように意識してみてください。足指でしっかり踏ん張ることで、膝への負担が分散され、安定して階段を上ることができます。

足全体で支える意識

足指+足全体で階段を踏みしめる意識を持つと、より安定します。つま先だけ、かかとだけで上るのではなく、足裏全体を使うイメージです。

当院でのアプローチ

整体院こころでは、階段の上り下りが辛い方に対して、膝の状態に応じた生活、運動指導を行っています。

日常動作の指導

  • 階段の上り下りの体重の乗せ方
  • 膝に負担をかけない動作のコツ
  • 体の各パーツの意識

個別の状態に合わせたアドバイス

患者様一人ひとりの膝の状態や生活環境に合わせて、無理のない範囲での動作改善をご提案しています。

まとめ

階段の上り下りを楽にする4つのコツは:

  1. 降りるとき: 痛くない方の足から、一度揃えて降りる
  2. 手すり: 積極的に使う
  3. 心がけ: 焦らず、ゆっくりと
  4. 上るとき: 痛くない方の足から、足指を意識する

どの状態も姿勢の影響を受けるので、前重心や後ろ重心ではなく、体から一直線を意識し、中心軸に重心を置くことが大切です。

これらのコツを実践することで、階段の上り下りが少し楽になる可能性があります。

私の経験からして、膝が痛くて階段の上がり下りで症状があり、かなりの影響が出ている方は膝だけの問題ではない場合が多いです。

その他の症状や、発生機序にもよりますが、膝+股関節、膝+腰→姿勢の影響を受けかばっている状態。膝+足首、膝+足指→足の機能がうまくいかず膝に負荷がかかっているor反対で膝の影響により足の機能が低下していると思われます。

1つの参考例にして頂ければと思います。

階段の上り下りでお悩みの方は、お気軽に整体院こころにご相談ください。


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