膝の痛みがあっても運動していい?よくある3つの質問に柔道整復師が回答
実際来院された患者様からの質問で痛みがあるときどうしたらいいの?何かすることあるの?何したらダメなの?ってよく聞きます。早く改善したいが説明を受けたことがないという方も多くいらっしゃいます。今回はその中で運動について聞かれることが多いので少しお話していければと思います。
膝の痛みがあるとき、「運動した方がいいのか、控えた方がいいのか」迷われる方は多いのではないでしょうか。当院にも「歩いた方がいいと聞いたけど、痛いのに続けていいの?」というご相談をよくいただきます。
そこで今回は、膝の痛みがあるときの運動について、よくある3つの質問にお答えします。
Q1. 痛いのにウォーキングしてもよい?
A. 痛みがあるなら控えることをおすすめします
症状にもよりますが、歩く行為そのもので痛みを感じる場合は、もう少し症状が落ち着くまで控えていただくことをおすすめしています。
その代わりに、室内でできる膝に負荷のかからない運動を取り入れてみてください。
痛みがない場合の判断基準
もし痛みを感じないのであれば、症状が出ない範囲の時間であれば問題ありません。ただし、以下の点に注意が必要です:
- 歩いた後にだるさが出る
- 痛みが悪化する
- 翌日に症状が残る
これらの症状が出る場合は、歩く時間が多すぎる可能性があります。少し減らす必要があるでしょう。
なぜ痛いときは控えるべきか
歩くという動作は体重が膝にかかります。痛みが悪化するということは、膝が支えられず負荷がかかりすぎているサインです。
そのため、痛みがある段階では、負荷のかからない耐えられる範囲での運動をおすすめしています。
ウォーキングをする場合の例として、まずは短時間、10分歩く。これで症状がないならOK。後日15分歩くこれも症状がないのでOK。また後日20分歩く、この時帰ってから症状あり、この場合まだ20分の負荷には耐えられていないので、15分までをチャレンジするとよいと思います。もし30分歩いたとして途中で痛みや違和感が出た場合はベンチやどこか腰掛けれるところで少し休憩して引き返してください。そのまま頑張って歩き続ける方がいますが、負荷かけ続けると悪化する可能性があるので私はおすすめしません。一時的に座って休憩してあげることで歩行時に使用した筋肉を休めてあげてください。

Q2. 膝のために太ももの前を鍛えると良いと聞きますが、スクワットしてもよい?
A. 痛みがあるなら控える、ないなら注意しながらOKです
これも先ほどの回答と同じで、痛みがあるなら控えることをおすすめします。痛みがないならOKですが、いくつか注意点があります。
スクワットは後半に取り入れる方が効果的
個人的には、スクワットをどうしてもやりたい場合は止めませんが、症状がよくなってきた後半に、専門家の指導のもとで取り入れた方が良いと考えています。
その理由は、スクワットは自分の体重を支えることになるため、膝への負荷がかなり強いからです。痛みがある段階では、もう少し負荷の軽い運動からスタートする方が安全です。
太ももの前以外の筋肉も重要
また、スクワットで鍛える大腿四頭筋(太ももの前)よりも、太ももの別の筋肉を鍛える方が効果的な場合もあります。例えば内側の内転筋や裏のハムストリングスなど。
なぜなら、太ももの前の筋肉は普段からよく使用しているからです。症状にもよりますが、他の筋肉を鍛えてから前の筋肉を鍛えても遅くありません。
Q3. 膝が痛いけど、サポーター嫌いなのでしなくていい?
A. 痛みがあるなら、何らかのサポートをおすすめします
「サポーターをすると筋力が下がる」という理由で、つけたくないという患者様もいらっしゃいます。
筋力低下についての誤解
確かに、サポーターを長期間つけ続けると、筋肉への負荷が減って筋力が衰えやすくなる可能性があります。
しかし、これは「サポーターそのもの」が筋力を下げるのではなく、「サポーターに依存して動かなくなること」が問題なのです。
むしろ痛みで動けない方が問題
実は、痛みが原因で歩くのが困難になり、ほとんど外出しなくなる方が、筋力や体力の低下につながります。
サポーターを使用して日常生活が送れるのであればそのほうが、筋力や体力の維持につながる場合が多いのです。
重要なのは「使い方」
痛みがある段階では、何らかのサポートをしてあげた方が膝への負荷を軽減できます。サポーターでもテーピングなど、なんでも構いません。
負荷を軽減させて痛みを和らげながら、適切な運動を続けることが、早期回復への近道です。
筋力低下が気になる場合の使い方
もし筋力低下が気になるのであれば、以下のような使い方をおすすめします:
- 外出するとき
- 家事をするとき
- 用事をするとき
このように、動作をする場面でつけて、それ以外の時は外しておくという方法です。
何か動作をするということは体を支えることになるので、その際の負荷を少しでも軽減できれば、早期回復につながる可能性があります。
そして、サポーターで痛みをコントロールしながら、痛みの出ない範囲での適切な運動で筋力を向上させることが大切です。
サポーターは便利ですが、合う合わないもありますので装着することで症状が悪化する場合は無理して装着せず、タイプの違う物などを探してみるのも1つ方法です。
膝だと履くタイプのものもあれば、巻くタイプの物もあります。患者様で家にあるのだけどともって来られる方もいらっしゃるのでみせていただくと、すでに伸びきっていて形を保っていないものなどもあります。この場合は本来の機能を果たせていない可能性がありますので新しいもに買い替えをおすすめします。サポーターはずっと使えるものではありません。長持ちはしますが消耗品ということをお忘れないように。
当院でのアプローチ
整体院こころでは、膝の痛みの症状に応じて、適切な運動指導を行っています。
負荷をコントロールした運動指導
- 痛みの段階に応じた運動メニュー
- 室内でできる負荷の少ない運動
- 筋力バランスを整えるトレーニング
個別の状態に合わせたサポート
患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせて、無理のない範囲での運動方法をご提案しています。
まとめ
膝の痛みがあるときの運動は、「痛みがあるかどうか」が重要な判断基準です。
- 痛みがあるなら控える
- 痛みがないなら、やりすぎに注意
- 後から症状が出るなら、負荷を減らす
無理をせず、症状に合わせた運動を選ぶことが、早期改善への近道です。
膝が痛い時、動きたくない、何もしたくない、という人と、痛いけど我慢して運動して早くよくしたいという方と2つのパターンにわかれることが多いです。実際患者様でもこの2パターンにわかれるのですが、私が個人的に改善が見られやすい傾向にあると感じるのは、ちょうど中間の考えの方です。適度に動かし、適度に休める人です。どちらかに偏ってしますとやはりそれに対する反対の、動かない人はもちろん安静にすることにより炎症が起きにくいメリットもありますが、筋力低下や筋肉が働かなくなりより支えられなくなるデメリットもあります。頑張りすぎて運動する方は負荷がかかりすぎて悪化する。もちろん鍛える場所が適切であれば効果が期待できることもあります。なので2つの良いところをとった中間が私は一番良いと考えます。人に教えてもらったから、TVで言ってたから、Youtubeで言ってたからなど、たくさんの情報があるので信じすぎず、人それぞれ体や症状も違うので、それぞれの患者様の生活にあった内容で行うのが良いと思います。その判断が難しい場合はやはり私たちのような専門家に相談するのがよいと思います。
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